「赤字」は未来への投資:目的を明確にする思考法
- ラボ オルカ
- 6月20日
- 読了時間: 7分
洋服や楽器、映画のチケットといった現物購入の場合(*一部予約もあるので省略)、 現行購入またはクレジットによる後日決済。
仕事や観劇等の場合は先行投資をして、定められた期日にてその対価を支給される。
特に、社会人になって初めての給料を受け取るまでの期間や、転職などで給料日が一時的に空くような場合、先行投資は期日になるまでは「初月は赤字」からのスタートという訳です。
これは、給料が入るまでの間に、家賃、食費、交通費など、生活に必要な支出が先行して発生するためです。

現物購入と先行投資の主な違い
さて、ここで2つの状況を改めて整理してみましょう。
現物購入(洋服、楽器、映画のチケットなど)
現行購入(即時決済):支出と同時に所有権やサービス利用の権利を得るため、その時点での損益は発生しません。
クレジットによる後日決済:支払い自体は後日ですが、購入時点で物の所有権やサービスの利用権利は確定しており、キャッシュフローのマイナスは発生しても、それは支払い方法によるものです。
先行投資(仕事や観劇など)
支出先行:まずはご自身の資金で費用を負担します。この時点では、まだ直接的な対価(収入)が発生していないため、一時的にマイナス(赤字)となります。
対価の後日支給:定められた期日に、その先行投資に見合う対価(経費精算、給与の一部、報酬など)が支給されることで、マイナス分が補填される、あるいはプラスに転じることになります。
これは何かを始める上で目的を明確にさせるために必要な事で、ここが定まっていないと計画が立てにくくなります。
目的の明確化が計画の要です
何かを始める上で目的を明確にすることは、非常に重要なんですよ~。 なぜなら、目的が曖昧だと、進むべき方向性が見えにくくなり、結果として以下のような問題が生じやすいから!なんです。
計画が立てにくい: 何を達成したいのかが明確でなければ、具体的な手順や必要な資源(時間、お金、労力など)を洗い出すことができません。
モチベーションの維持が難しい: 目標が見えないと、途中で困難に直面した際に「何のためにやっているんだろう?」とモチベーションが低下しやすくなります。
意思決定がブレる: 複数の選択肢がある場合、目的という基準がないと、どれを選ぶべきか迷いが生じ、一貫性のない行動につながります。
評価ができない: 達成したい状態が不明確だと、結果が出たときにそれが成功なのか失敗なのか、あるいはどの程度達成できたのかを客観的に判断できません。
具体例として
先ほどお話しした「先行投資」や「初月の赤字」といった状況も、目的が明確であればその対処法や覚悟が変わってきます。
仕事の場合: 「この仕事でキャリアアップしたい」という目的があれば、一時的な経費の立て替えも「自己投資」と捉えられ、モチベーションを保ちやすくなります。
観劇の場合: 「感動的な体験をしたい」という目的があれば、チケット代という先行投資も、その体験を得るための必要経費として納得感が増します。
洋服や楽器の購入: 「特定のシーンで自分を表現したい」「演奏スキルを向上させたい」といった目的があれば、そのための費用も「必要な投資」として計画に組み込みやすくなります。
つまり、目的は羅針盤のようなもので、それがあるからこそ、どの方向に進むべきか、途中でどの道を選ぶべきかが判断できます。
そして、その目的を達成するための具体的な道筋が計画となります。
目的が定まっていると、先行投資が必要な局面でも、それが最終的なゴールへの一歩であると理解できるため、一時的な「赤字」も必要なプロセスとして受け入れやすくなりますね。
実はこういった考え方は演技の面でも非常に役に立つんですよ?

演技における「目的」と「先行投資」
演技において、キャラクターを深く理解し、説得力のある表現をするためには、まさにこの考え方が不可欠だと思ってるんですよね~♫
キャラクターの「目的」の明確化: 役を演じる上で、そのキャラクターが「何を達成したいのか」「何のために行動しているのか」という明確な目的を持つことは、演技の核となります。
目的が定まっていれば、セリフの言い方、身体の動き、表情など、すべての表現に一貫性が生まれ、観客はそのキャラクターの行動に納得感を持つことができます。
目的が曖昧だと、キャラクターの行動原理がブレてしまい、観客に伝わるものが散漫になってしまいます。
感情や行動への「先行投資」: 演技において、ある感情を表現するためには、その感情に至るまでの思考や経験の積み重ねが必要です。
これはまさに「先行投資」と言えます。
例えば、悲しみを表現するために、役者はそのキャラクターが経験したであろう過去の出来事や感情の動きを事前に深く掘り下げ、内面に「投資」します。
また、ある行動を取る前に、その行動に至るまでの葛藤や決意といった「先行する心理状態」を準備することで、その行動にリアリティと重みが生まれます。
観客には最終的な感情や行動が「対価」として示されますが、その裏には役者の深い先行投資があるわけです。
「赤字からのスタート」という視点
さらに、「初月は赤字」という考え方は、キャラクターが直面する困難や葛藤を描く上で非常に有効です。
キャラクターが何か大きな目標に向かって進む時、多くの場合、最初からすべてが順調なわけではありません。
むしろ、困難や犠牲を伴うことが多い。
例えば、
夢を追いかける若者が、生活費を削って練習に打ち込む姿(金銭的な赤字からのスタート)。
ある目的のために、大切なものを犠牲にするキャラクター(精神的、人間関係的なマイナスからのスタート)。
このような「赤字からのスタート」を明確に描くことで、キャラクターの努力や決断の重みが際立ち、観客はより感情移入しやすくなります。
そして、最終的に目的を達成した時の喜びや感動は、その先行投資があったからこそ、より一層強く感じられるのではないでしょうかね?
確かに赤字って言われたり聞くとマイナスのイメージなのかもしれませんが、それは捉え方次第ではないか、と僕は思います。
多くの人が「赤字」と聞くと、「損をしている」「うまくいっていない」といったイメージを抱きがちです。しかし、あなたが指摘されたように、先行投資としての赤字は、将来の大きなリターンや目的達成のために不可欠なプロセスです。
「赤字」のポジティブな側面
未来への投資: 多くのビジネスや個人の成長において、初期段階での設備投資、人材育成、研究開発などは一時的な赤字を生みます。しかし、これらは将来の収益や発展のための先行投資であり、この「赤字」がなければ、その後の成功はありえません。
学習と成長の機会: 新しいスキルを習得するための時間や費用、あるいは失敗から学ぶ経験も、一時的には「時間や労力の赤字」に見えるかもしれません。しかし、これらは個人の能力や知識を深めるための貴重な投資であり、結果として大きな成長につながります。
目的達成への覚悟とコミットメント: 演技の例で言えば、役作りのための徹底した準備や、時には自身の感情を深く掘り下げることは、多大なエネルギーを要する「赤字」のようなものです。しかし、その「赤字」を厭わない覚悟こそが、最高のパフォーマンスを生み出す原動力となります。
捉え方の転換
重要なのは、「赤字」という現象を単なるマイナスとして見るのではなく、それが何のために生じているのか、その先にどのような目的があるのかを理解することです。
例えば、
スタートアップ企業が初期に多額の投資を行い赤字を計上しても、それは事業の基盤を築くための戦略的な赤字と見なされます。
学生が学費や生活費を自己負担して勉学に励む期間は、一時的に「経済的な赤字」かもしれませんが、それは将来のキャリアを切り開くための自己投資です。
このように、「赤字」は、目的意識を持って計画された行動の結果である限り、それはむしろ成功への道筋を示す「兆候」であり、未来に向けたポジティブなステップであると捉えることができるのではないでしょうか。
また、この視点は僕たちの日常生活や仕事、そして演技のような表現活動においても、非常に力強い考え方になるはずなんですよねぇ~
あ、近々素敵なワークショップの発表をさせていただくので、おったのしみに~(*‘ω‘ *)
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